コラム

#9 第39回 四国こんぴら歌舞伎大芝居を終えて-文化を受け取り、次へ渡すということ-

第39回 四国こんぴら歌舞伎大芝居が終幕しました。

今年も「自分にできることを全力でやろう」と決めて臨んだ日々。
振り返ると、まさにフルマラソンを走り抜けたような時間でした。

「楽しむ」から「伝えたくなる」へ


今年も 瀬戸内暮らしの大学 さんとともに
「歌舞伎を何倍も楽しむツアー」を実施しました。

今回は座学を2回行い、そこからフィールドワークへ。
歌舞伎に携わる方々を巡り、最後に旧金毘羅大芝居(金丸座)へ向かう流れです。

ただ観るだけではなく、
なぜこの町に芝居小屋が残ったのか。
どんな人たちがこの文化を守ってきたのか。

そうした背景を知ることで、
同じ舞台でも見え方がまったく変わります。

今年は過去最大の参加者の皆さまと町を巡ることができました。
そして本公演にも足を運んでくださった皆さま、本当にありがとうございました!

ラジオという“もうひとつの舞台”

公演期間中には、
RNC西日本放送のラジオ番組
中四国ライブネット
讃岐発『春はこんぴら花ふぶき~満開の金丸座にござりまする~』にも出演させていただきました。

白井美由紀アナウンサーが、琴平のさまざまな現場を巡り、集めてくださった音声をもとに振り返る生放送2時間。

現場の空気や人の想いが詰まったその音声を通して、
僕自身も改めてこんぴら歌舞伎の魅力を実感する時間となりました。

ラジオを通して、
「こんぴら歌舞伎を見てみたい」と思っていただけるきっかけをつくっていただけました。

写真がつないでくれたご縁


もうひとつ嬉しい出来事がありました。

JR琴平駅 の駅長さんから
「この写真は池さんが撮ったものですか?」とご連絡をいただきました。

瀬戸内暮らしの大学さんのホームページに掲載されていた写真を見てくださったことがきっかけでした。

そして、歌舞伎の開幕から終幕まで、
僕が撮影した写真を駅構内に掲示していただきました。

僕は毎日カメラを持ち歩いています。

昔の写真を見て、当時に思いを馳せるのが好きです。
同時に思うのは、「今の町を残せるのは、今を生きている人間だけ」だということ。

だからこそ撮り続けてきた写真が、
こうして町のために使っていただけたこと。

本当に嬉しい出来事でした。

「語る」という役割


公演期間中の平日には、
HAKOBUNEビルにて
「人に伝えたくなる琴平学 こんぴら歌舞伎編」をほぼ毎日実施しました。

琴平の歴史、こんぴら参り、金丸座の背景、
そして文化を守ってきた人たちの想いをお伝えし、金丸座へご案内。

ただ観るだけではなく、
“知ってから観る”。

その体験を届けたいという思いで取り組みました。

約200名の方にお越しいただき、
中には涙を流しながら聞いてくださる方もいらっしゃいました。

「伝える」ということの力を、改めて感じた時間でした。

舞台の裏側に立つ


今年は舞台の裏側でも、忘れられない経験をさせていただきました。

商工会青年部として関わった演目「鷺娘」。

金丸座の舞台装置「迫り」を担当し、
坂東新悟 さんを舞台へ送り出す役割を担いました。

紙吹雪の雪が舞う中、仲間と力を合わせて舞台を支える。

舞台の一部として関わる感覚。
裏方としての緊張感と一体感。

あの瞬間は、今でも忘れられません。

木戸芸者という文化の継承


そして今年、7年ぶりに復活した木戸芸者。

片岡町長からバトンを受け取り、
商工会青年部有志で練習を重ねました。

僕は初日の口上役を担当。

さらに町内の小学校で、子ども木戸芸者の指導にも関わらせていただきました。

本番の日、子どもたちの姿を見て涙が止まりませんでした。

この町でしかできないこと日本最古の芝居小屋で、
江戸時代から続く文化を
大人と子どもが一緒になって受け継ぐ。

これは、日本中探しても
この町でしかできないことだと思います。


そして第40回へ


第39回 四国こんぴら歌舞伎大芝居。

関わってくださったすべての皆さま、
本当にありがとうございました。

来年はいよいよ第40回。

またこの町で、
皆さまとお会いできることを楽しみにしています。

そしてこれからも、
「人生に何度でも訪れたくなる町へ」

琴平の魅力を伝え続けていきます。

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