コラム

#3 五人百姓と「加美代飴」の物語──こんぴら参りに込めた思いを届ける

私たち五人百姓 池商店は、香川県琴平町の「金刀比羅宮(こんぴらさん)」に代々お仕えし、神事を支える一族です。その一族が守り続けてきたものの一つが、**「加美代飴(かみよあめ)」**という特別な飴。

古くから、こんぴら参りに訪れた人々が遠く離れた大切な人へ、旅の思いとご利益を届けるために持ち帰った飴です。
この飴がどのように生まれ、どんな思いが込められているのか──それは「五人百姓」と「飴」の物語に深く結びついています。

五人百姓の始まり──「何でもできる人」として

「五人百姓」とは、金刀比羅宮の境内で365日、特別な役割を果たす一族です。
「百姓」とは「百の姓(かばね)」という言葉が由来で、何でもできる人という意味があります。

私たち五人百姓は、様々な神事のお手伝いをさせていただくという、重要な役割を担ってきました。

境内に入口で傘を差しながら「加美代飴」を販売させていただいてる光景は観光名所として、歴史上で絵画や写真によく登場してきました。

なぜ五人百姓は「飴」を選んだのか?

先祖が「飴屋」を始めた背景には、こんぴら参りをする人々の旅路と帰路にあります。

江戸時代、日本中から人々は歩き、船で四国に渡り、香川県の金刀比羅宮へと参拝に来ました。
そして参拝を終えた後、彼らはまた海を越え、故郷へ帰ります。その旅路で、この土地のご利益を形にして持ち帰るものとして、選ばれたのが「飴」でした。
• お団子やお菓子よりも日持ちが良い
• 遠くまで持ち運ぶことができる
• 小さくても、ご利益が宿る特別なものとして渡せる

このような理由から、先祖たちは飴を選びました。

「加美代飴」に込められた意味

photo by 脇 秀彦

「加美代飴」の名前には、「神様の代わりのご利益飴」という意味と願いが込められています。

また、金刀比羅宮は日本でも珍しい代理参拝ができる神社です。
足が悪くて登れない方、来たくても来られない方のために、代わりに参拝した人がその方を思うことで、ご利益がその人にも届くと言われています。

この「思い」を形にしたものが加美代飴です。
飴を叩いて割ることで、ご利益を分け合うという文化も生まれました。

町と神域をつなぐ「五人百姓」の役目

金刀比羅宮の参道365段目にある「大門」は、町と神様の領域の境界線です。
私たち五人百姓は、その境界に立ち、町の人々と神様をつなぐ役割を担ってきました。

その場所で傘を差して飴を販売する姿は、香川県ならではの風景として、今も多くの参拝客の記憶に残ります。

また、香川県は日本で一番雨が少ない県でもあります。そのため、五穀豊穣を祈願する「天からの雨」と「食べる飴」をかけ合わせた願いが込められたとも言われています。

五人百姓 池商店は、**「幸せをおすそ分けする飴屋」**をテーマに、
これからも飴を通して、こんぴらさんのご利益と思いを届けていきます。

このnoteでは、そんな**「五人百姓と加美代飴」の物語**
も少しずつお届けしていきます。
まだまだ語りきれていないエピソードがたくさんありますので、どうぞお楽しみに!

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